XROGER CD REVIEW

XR001 偽・水色時代
タイトルは30近く候補があった中、結局無難なこのタイトルに決定。(他には「バース」、「ホームラン」、「大暴投」等なぜか野球関連のタイトル候補が多かった。また苦情処理用のマニュアルも作成された)また、他のすべてのCDよりもマスタリングが入念に行われ、かつ環境も当時としては一番良かった作品。ただし、マスターテープはDAT以外にカセットテープも多く使われ、しかも再生にはマスタリング現場に偶然居合せた、全く関係ない人のウォークマンを使用というワイルドさも含んでいる。1996年9月。

1.電子ブロック(時は今)
野幌MASTERS/高橋の(打ち込みでの)2作目の作品。この曲では実際に学研電子ブロックをサンプリングして演奏している。聞きどころは、中盤の本人演ずるリズムマシンパート。
2.光ファイヴァーコミニュケーション夢操作ONE
「俺が好きなのは優子なんだ!(ディレイつき)」から始まる、XROGERオーナー自ら手掛けた最初の作品。今となっては考えられないことだが、1stアルバムではオーナーの曲が大半を占めており、これだけでも重要。
3.もっと!モット!underworld
元々は制作の仕事で作られたもの。そのため「ときメモ」の部分はカラオケになっている。underworldパートは偶然キーが合ったので使用。ただし元曲の3連のハネは無理矢理ジャストに変更。ちなみに、909キックが途中で1拍抜けてるのに気付きました?
4.もっと!モット!二人の時
タイトル通り、「二人の時」がメロディに使用されている。が、いきなり「アラレちゃん」と「笑点」、「ゼビウス」というサンプリングが脈絡のなさをアピール。聞きどころは「マッハ萎え〜」でしょうか。
5.もっと!モット!(株)HASHIYANSOFT
野幌MASTERSの二人による合作。聞きどころは、メタルギタリスト兼策士の高橋のギターで、打ち合わせの時のコード進行と違うプレイを披露。サンプリングヴォイスは(株)HASHIYANSOFT社長自らの声。
6.The best of 次回予告
このアルバムの中で評判の良い曲の一つ。最初は次回予告+TR-909だけだったのが、完成直前でTB-303が加わる。ポイントはセリフに掛かってるディレイと、色々な意味でファンサービスの歪んだ303ソロ。
7.あぁどうも(jehyehye:)
完全にノリで作られた一曲。32秒という短さは、野幌MASTERS/高橋本人がその時点で飽きたから。
8.The best of 水色時代
水色時代の各キャラの声(一部無関係)がサンプリングされている一曲だが、実は展開にオーナーが絶賛したアシッドハウスの曲をパクっている(特にフィル部分)。博士=李博士という解釈が面白い。
9.夢操作TWO
いきなり「生理、生理」というサンプリングから始まるが、実際には「水色時代」の前に放映されていた、「ふしぎ遊技」へのレクイエム。「この後は魔法騎士 光線地球、絶対見てね」のサンプルは完全にオーナーの趣味。なお、オーナーの曲にメロディが多く含まれるのは、ポンチャックにおける「シンガーと同じメロディをキーボードで弾く」という観念に基づくものである。
10.ジャングルベル
クリスマスシーズンに向けた、野幌MASTERS/高橋の打ち込み第1作目の意欲作。ギタリストの彼が、ブレイクビーツを使うという点が興味深い曲だが(音色的にはThe Prodigy「ONE LOVE」がかなりの影響を及ぼしている)、気に入ったリフを飽きるまで延々くり返すのがギタリストらしい曲づくりともいえる。

XROGER CD

XR002 仙台vs野幌round2
この作品より現在と同じコンポーザー陣となる。発売予定だった1996年12月を大幅に遅れ、1997年4月から本格的に発売。1996年8月と1996年11月には合宿も催され、そのなかで「すの壱番」、「フラミンゴII」が調子良く完成する。また、1996年11月の合宿では野外レイヴ(オーナー、hub masterによるライヴPA)も一部地域で催された。しかし、制作時は順調だった滑り出しも、リリース後には一番の問題アルバムになり、今後の売れ行きが心配。しかし、何故か評価が一番高いアルバム。展開的には1stよりも淡々とした展開で、サービス的なものは3rdよりも低い。素材向け。

1.MAJ-K
PEKO(後のORANGE PEKOE)のXROGERでの第一作。サンプリングこそないが、ディープな展開でひっぱりまくる。
2.俺。待つの嫌い。
代々木アニメーション学院のCMをふんだんに使った楽曲。淡々とした展開だが、後半で某松野の歌がイヤという程ループする。
3.DETROITE TECHNO IS ...DATDAN......MAY
「Strings of life」がサンプリングされているが、これはシリアス志向なデトロイト野郎にFUCK!という意図だろう。デトロイト好きには耐えられない一曲かも。
4.あんたガバ
つかみで勝負のTAQの作品。ネタはまんまエヴァです。「エヴァ兄弟」がポイント?
5.フラミンゴII
合宿中に完成した一曲。メロディはタイトルと同名のアミューズメント機器のもの。ベースには持ち合わせたTB-303が使われるなど贅沢な曲。
6.すの壱番
この曲も合宿中に数時間で完成した曲。サンプリングはRoland MS-1を用いて行ったが、楽器店でMC-303を演奏したものを店員の目を盗んでMS-1に取り込むなど、なかなか荒っぽいことをやっている。英語のサンプルはFred氏の協力によるもの。
7.コンシューマーゲーム
冒頭から分かる通り、椎名へきるとクラフトワークが大好きなオーナーの一曲。この曲ではオーナーの好きなゲームのメロディが随所にちりばめられている。また、オーナー自身が推薦するガバアニメ「魔法少女プリティサミー(ブレイクビーツの宝庫)」からもサンプリングが行われている。聞きどころは4分からの「卒業S」のハッピーコアの部分。
8.Trash-Beats 303
PEKOによるアシッドチューン。ダークな雰囲気の展開で歪み入ってます。
9.First Children
この曲のみ1996年3月に完成(XROGER 1stよりも前)。エヴァネタですが、元々はこういう曲調ではなく、ファンキーなアシッド系の曲でした。
10.るろうに剣心(Sexual 薫 mix)
ローファイな歪みヴォイスがハードさを演出している一曲。サンプル自体は都合の良い部分だけ繋いでいるので、思わずほくそ笑んでしまう。
11.Gabber Synth."Mikami"
GS美神ネタ。だが、ハーコーヴォイスが合わさる事によって、さらに脈絡がなくなり、笑いを誘う。やはり、お茶は静岡か!?
12.夢操作THREE
夢操作シリーズの最終作(?)にあたるこの曲は、イントロのクリック音〜「今日は誰だ?…今日は光」など、展開もこなれた印象がうかがえる。また、YMO「ライディーン」と水色時代オープニングテーマに共通項を見い出し実践している。聞きどころは4分からのJONNY Lのブレイクビーツとまりりんの「ジュース一本おごりだからねぇ」というセリフの絡み。
13.Rotte-Rhythm in KODOCHA!
前半は暗い感じのヴォイスが続くが、後半から展開がハッピーコアに一転。セリフを良く聞くとストーリーに沿ったものになっている。

XROGER CD

XR003 放し飼い
2ndアルバムが延びに延びて1997年4月に発売になったため、3rdアルバムの制作はあまり滑り出しは良くない形でスタートした(曲も全然揃わない)。しかし、夏コミに当選したことやオーナーがハッピーハードコアにハマり、急遽歌モノを制作するなど、1997年6月にはかなりハイペースでの制作が進められ、次第に曲調もそれまでのものとは変わっていった。マスタリング時にはDATが壊れ、最悪の状況下となったが、騙し騙し使ってマスタリングした結果、音的には過去のどのアルバムよりキツい音に仕上がり、オーナーも満足している。このアルバムはXROGERの中では一番コアでしかも出来が良く、お勧めできるアルバムと言っても良いだろう。リリース1997年8月。

1.Welcom!
本当につかみが勝負の一曲。そのコマーシャル性をアピールするため、音質も意図的にハードでキツいものに意図的に仕上がっている。(オーナー曰く、キツければキツい程良い)ポイントは4回目だけピッチの下がる「mother fucker」(オーナー談)
2.DiSC iNSERT
「ディスクインサート」のヴォイスと謎のループが妙に組み合わさった一曲。PEKOは、このアルバムよりORANGE PEKOEに変名。
3.gaki!!! ---> 05
つかみが勝負の彼だが、この曲でのつかみは絶妙。また、誰もが注目していたと思われる、あの番組で使われたスタブの音色もやはり心地よく組み合わさっている。長尺のセリフも彼の自慢のコレクションからチョイスしたベストなものだ。
4.こどものぶらぢゃ
タイトルが何故か同人誌のタイトルっぽいが、曲のほうは2ndより磨きがかかっている。展開の組み方はオーナー寄りで基本的にループせず、性急に展開が入れ代わるタイプ。ぶらぢや〜の連呼がキュート?
5.ともえ投げ失敗
TAQの篠原サンプリングコレクションよりチョイスされた、ベストなヴォイスが使用されている。なぜタイトルが失敗なのかは謎。
6.よるのかなた
オーナーがハッピーハードコアに影響されまくって作った一曲。冒頭からシーケンサーのクリック音に合わせ、自ら歌うなどサービスぶりを発揮するが、問題ははたしてオーナーの所有しているサンプラー(2メガバイト)ではたして歌モノのリミックスができるか?であった。が、しかし、予め倍回しで取ったのを1オクターブ下げて演奏するという、まるでSP-1200でサンプルするかのようなテクニックを使い見事リミックスに成功。大好きなポンチャックのメロディ(ヒョンエの曲)も合わさり、國府田マリ子ファンには垂涎モノの一曲に仕上がっている。
7.根性ディスコ
タイトル通り、ディスコ風のハウシーな一曲だが、宮村優子好きにもウケるであろう一曲。一説にはhub masterに影響を受けて作った曲だとか。
8.みやぎ蔵王きつね村
XROGER史上、最大の問題曲。15秒にすべてが込められています。
9.あずさ零号
このアルバムから参加の大型新人、project Dによるエレクトロ。NHK「あずきちゃん」や、オーナー推薦のガバアニメ「魔法少女プリティサミー」などで奇妙な音色を発生する、小桜エツ子を大フィーチャリングしたもので、そのセリフの無神経さが曲を引き立てている。大音量にして808キックを堪能して欲しい一曲。
10.Bomberman remix
この曲は1995年につくられた曲。タイトルと同名のゲームをモチーフにして作られたが、制作時はあまり乗り気ではなかった。後半からビヨってます。
11.おげれつデトロイト
またもや、デリックメイを冒涜したような曲。イントロの「うるせぇ」が爽快。しかし、ネタが「こどちゃ」なのでプリティな印象。
12.うたうたう
これもオーナーがハッピーコアに影響を受けて作った曲(パクった曲そのままの展開)歌の部分は椎名へきるの曲だが、ハードコアの部分は倍のテンポ。中盤、全くそれまでと脈絡の無い展開が入るが、その脈絡なさがまた良い感じに作用している。オーナーの話だと脈絡のない展開の部分は主にハウスの12”等を倍回しにして使っているというが、あえてハウスを倍回しにすることで、元々のm7や9thのコードがアッパーっぽくなり、トランシーな雰囲気を出していると思う。
13.5th children
この曲はマスタリング時に入れる、入れないで大問題になった曲。聞くと分かるが、オケがマッドマイクの某曲に酷似しており、かつネタがエヴァだという、XROGERらしからぬ曲だからだ。しかし、その判断はリスナーに任せるという形で決着し、CDにおさめることになった。
14.over you
マスタリング直前に4時間30分で作った曲。本当はMIX CDに入っている「Luv memories」が収録予定であったが、急遽変更してこの曲になった。
15.TEST TONE(100Hz?,1kHz?,10kHz,NOISE)
各種テストトーンをオーナー流にアレンジした、実用トラック。DIGITAL 0dBFSで収録。
16.DRY-F
これもレーベル発足以前の1995年3月に作られたもの。

XROGER CD

XR003.5 FIRST VALENTINE
このCDはXROGER発足一周年を記念して、1997年夏コミの後に一ヶ月で制作された。このCDでは主に1997年9月で廃盤(在庫のみ)となった1stと2ndアルバムを中心に作られたMIXと、曲数等の関係で収録できなかった最新曲が納められている。また、特筆すべきは、ライヴテイクが納められていることで、これもかなり貴重なものと言えよう。1stと2ndが在庫限りとなった今ではXROGERの初期を知るお得なCD。なお、XROGERは1997年に2nd、3rd、そしてこのMIX CDの3枚をリリースした。

1.Welcome
まさに「1周年記念」といったような一曲。つかみの一曲だが、遺跡というのは何?
2.X-MIX
1stから3rdまでの美味しい部分だけを集めてミックスしたもの。20分程度で10数曲がミックスされています。
3.へきる100%
オーナーと並ぶへきる好きのTAQによる一曲。リズムループに至までサンプルをへきるから抜き出してMIXした入魂の一作。何度か作りなおしているようだが、ここにはその最新テイクを収録した。マスタリング時にはオーナーの希望でボトムをさらに強化した。
4.じゃあ地球よってく?(1996)
アコムの「むじんくん」ネタで
5.Luv memories(may day morning dub)
「機動戦艦ナデシコ」ネタのハッピーハウス。元々は1997年5月に完成していたが、諸事情でお蔵入りになってしまった。サンプリングはユリカとルリ好きにウケるセレクションだが、オケもピアノで抜けるなど使いやすい一曲。巨乳すきですか?
6.UNIXの歌
7.UNIXの歌(off vocal)
XROGERのルーツともいえる、UNIX(X-Window環境)をテーマにした一曲。歌詞は史実に基づいて作成され、某大学のadminの横暴さが表れており、XROGERの歴史はこのadminとの戦いであったといっても過言ではない。収録は高速道路を移動中の車内で行われた。
8.ADDVENT Live at HONGKONG
XROGER第2の新人、ADDVENTによるライヴテイク。使用機材はADDVENTのメンバーすら使い方の分からないRoland MC-303が現地にたった1台。ADDVENTのメンバーは2人がかりで1台のMC-303を演奏するが、内蔵のシーケンサーは使わず演奏は全て即興の手弾き。しかしMC-303はこう演奏するもの、とばかりにミニマルな曲を演奏した。XROGERでは貴重なライヴテイク。
9.へきる100%(死霊mix)
へきる100%のレアテイク。あまりのバカバカしさ+ジェフミルズ愛好家の為に収録しました。ただ、あまりに音源がレアすぎ、偶然カーステレオで鳴っていたものを録音したので、同乗者の声も収録されている。

XROGER CD

(P)1999 XROGER Info. / All pages publishied by XROGER Info.